お母様の振袖、通称「ママ振袖・ママ振り」をお嬢様が着用する場合、最も気になるのが「サイズが合うのか」という点です。
成人式でママ振袖を活用したくても、「身長が違いすぎてサイズが合わない、着られないのでは？」と不安に思う方もいることでしょう。
ママ振袖も多少の身長差であれば工夫や調整で着用できることも多いですが、許容範囲を超えるとサイズ直しやレンタルの検討が必要となります。
身長差の目安やサイズが合わない場合の対処法など、ママ振袖で後悔しないためのポイントについて詳しく解説します。
ママ振袖のサイズが合わない！身長差の許容範囲とは？
お母様とお嬢様の身長・体型が異なる場合、ママ振袖のサイズが合わずそのまま着ることが難しい場合があります。
振袖をお直しなしでそのまま着られる身長差の目安と、サイズを合わせることの重要性について解説します。
身長差プラスマイナス5cmが目安
ママ振袖を直さず着用できる身長差の目安は、「お母様とお嬢様の身長差がプラスマイナス5cm以内」かどうかです。
身長差5cm以内であれば、サイズ直しをしなくても着用可能なことが多いです。
例えば、母親の身長が160cm、お嬢様が155～165cmの範囲なら、着付け時の調整のみで着用できるイメージです。
反対に身長に5cm以上の差がある場合は、丈が短くなり着姿が不格好になる、着崩れしやすいなどの問題が発生しやすくなります。
ただし、身長以外にもヒップサイズや体型のバランスによって着用可能かどうかは異なるため、振袖店にママ振袖を持参のうえ相談することをおすすめします。
身丈・裄丈・身幅の重要度とチェックポイント
振袖のサイズで特に重要なポイントは
- 身丈（みたけ）：着物本体の長さ
- 裄丈（ゆきたけ）：首の付け根から手首までの長さ
- 身幅（みはば）：胴回り
です。
身丈は基本的に身長と関係し、長すぎても短すぎても美しい着姿になりません。
裄丈が合わないと、袖が七分丈のようになり手首が大きく出てしまいます。
身幅も大きく異なると見た目が美しくなかったり着崩れの原因になったりするので、極端に細身やふくよかな場合やお母様とお嬢様の体格差があるケースは要チェックです。
ママ振袖を着用したい場合は、お母様とお嬢様の身長差・腕の長さの差・胴回りの大きさの差をチェックして、必要であればサイズ直しを検討しましょう。
サイズが合わない振袖を着るときの対処法
ママ振袖をはじめサイズの合わない振袖をどうしても着たい場合、対処法や工夫によってある程度は対応することが可能です。
ママ振袖やレンタル振袖で振袖が大きい場合・小さい場合それぞれの対策や、少しだけ合わない時におすすめのアレンジや着付けのコツを解説します。
振袖が大きい場合：着付けで調整できるケースも
振袖がやや大きい場合は、着付け時に調整できるケースが多いです。
和装の特性上、余った布を折り込んですっきり着せることは比較的容易です。
振袖がやや大きい程度であれば、着付けの際に腰紐の位置を高くしたり、おはしょり（帯の下で余る生地を二重に折りまとめる部分）で丈を調整する方法で対処できます。
また、裄丈も短いと七分丈になりおかしいですが、少しだけ長い分には見た目に悪影響はありません。
振袖が極端に大きすぎる場合は、サイズ直しも選択肢の一つです。
ただしコストや手間が大きく、仕立て直し費用がレンタル金額を超えてしまう例も少なくありません。
仕立て直しは一度振袖をほどいてメンテナンスしてから縫い直すため、期間も価格もある程度かかることに注意しましょう。
振袖が小さい場合：調整が難しく見た目への影響大
振袖が小さい場合は調整が難しく、無理に着用すると見た目に大きな違和感が出やすくなります。
まず丈が短いとおはしょりに十分な生地が確保できず、見た目が不格好になります。
身幅の生地が足りないと振袖の前がしっかり重ならず、歩いている内にはだけてきたり、着崩れしやすくなる原因に。
また裄丈が短いと袖が不自然な七分丈になり、写真でも分かるほど見た目に影響が現れます。
着物はもともと多少大きめでも着付けで調整できますが、小さすぎるものは物理的にどうにもならないケースが多いです。
特に成人式など、着慣れない振袖を長時間着る場面ではおすすめできません。
どうしてもサイズの小さいママ振袖を着たい場合は、写真撮影のみに限定するなど使いどころに注意しましょう。
サイズが少しだけ合わない場合に使える裏技
サイズが少しだけ合わない場合には、いくつかの裏技的対処法があります。
例えば振袖に対して身長が数センチ足りない場合は、厚底草履を履くことで調整可能です。
厚底草履で身長を底上げすることで、身丈の長い振袖を着た際に生じる違和感をカバーすることができます。
反対に身長が高く振袖の身丈が足りない場合は、あえて短く着付けてブーツでカバーする方法も。
身丈が短い場合は裄丈も足りない場合が多いので、袖にレースを付けたり手袋を付けたりしてアレンジを楽しむ方もいます。
ただし、サイズの差があまりに大きい場合には上記の方法では対処できないことが多いです。
根本的にサイズが合わない場合は早めに振袖店等に相談し、着用時の着崩れや見た目に関するトラブルを防ぎましょう。
振袖のサイズが合わないと起こるトラブルと着用リスク
振袖は見た目の美しさはもちろんですが、サイズが合っていないと他にも様々な着用トラブルが発生します。
サイズが合わない振袖を着用することのリスクを事前に確認しておきましょう。
着崩れ・動きづらさ・見た目の違和感
サイズの合わない振袖を着ると、着崩れのしやすさ・動きづらさ・見た目の違和感が大きな問題となります。
振袖の丈が短い場合はおはしょりがしっかり作れず、振袖の正式な着付け自体が難しくなります。
また身幅が狭いと前がはだけてしまったり、動いている内に振袖の前部分が開いてきてしまったりと着崩れの原因に。腕部分の生地が足りないと七分袖のような見た目になり、振袖姿の優雅な美しさが損なわれます。
さらにサイズの合わない振袖を着る際は、見た目の違和感を減らすことに重点をおいて着付けをすることになります。
腰紐の位置や帯の締め方に調整が必要なため、動きづらさを感じることが多いでしょう。
外出不可・式典ではおすすめできない理由
サイズがきちんと合っていない振袖は着崩れしやすく、外出や式典での長時間着用にはそもそも向いていません。
着付けで何とか形にしても、ちょっとした動きや歩行時に着崩れてしまう可能性が高いです。
例えば振袖の前がはだけてきたり、帯が下がりおはしょりが隠れてしまったりする危険があります。
特に成人式中はその場での修正も難しいため、思い出の一日にトラブルを残すことも考えられます。
写真だけのシーンならなんとか着用可能なこともありますが、外出には不向きのため注意が必要です。
ママ振袖のサイズが合わないときは直すべき？レンタルにするべき？
ママ振袖が自分の体型や身長と合わない場合、「サイズ直しをする」か「レンタル振袖にする」かで迷う方が多いです。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、費用や手間などを踏まえた判断材料や、多くのご家庭がどちらを選んでいるのかなど実例をふまえて紹介します。
サイズ直しにかかる期間と費用感
ママ振袖のサイズ直しでは「期間」と「費用」の両面を考慮する必要があります。
振袖のサイズ直しにかかる料金は、袖など部分的なものでも数万円、大幅にサイズが違う場合は全体をほどいてメンテナンスした後に改めて仕立て直すことになるため、数十万円の費用がかかります。
ママ振袖のサイズ直しの期間は、完成までに最低でも6ヶ月がかかります。
成人式直前でお直しを依頼しても受け付けてもらえない場合があるため、成人式の1年前を目安に振袖店等に相談へ行きましょう。
思い出＆品質 vs コスト&手間
ママ振袖にはご家族の思い出が詰まっており、昔の職人の手仕事による品質が良いお品も多いです。
しかし、高額の仕立て直し代や、長期間の保管により生地や仕立てが劣化しているリスクも考慮しなければなりません。
実際には「どうしても思い入れがある」という場合以外は、「レンタルの方がコストも手間も抑えられて安心」というご家庭が増えています。
レンタルならサイズも種類も豊富なので、好みにあった一着が見つかりやすく、お金をかけずに安心して晴れの日を迎えられるのが魅力です。
多くの人が選ぶのは？実店舗での対応例も紹介
実際に花てまりのお客様では「ママ振袖を直すコストをかけずにレンタルを選ぶ」お客様が圧倒的に多いのが現状です。
特にサイズ直しの金額がレンタル代を超える場合や、持ち込んだママ振袖のサイズが許容範囲外だった場合は、すぐにレンタルへ方向転換されるケースがほとんど。
なぜならママ振袖のサイズ直しにはかなりの費用がかかってしまうためです。
花てまりの実店舗では、ママ振袖の持ち込み相談が可能です。
サイズが合わなければその場でレンタルに切り替えることもできるので、ぜひ一度ママ振袖を持参のうえご相談ください。
ママ振袖を着たい方へ｜後悔しないための優先順位のつけ方と時期
お直しにかかるコストや手間があっても「せっかくなら思い出のこもるママ振袖を着たい」という方もいることでしょう。
成人式で後悔しないために、以下で紹介する判断ポイントを参考にしてください。
優先順位の整理：思い出・予算・見た目
ママ振袖を検討する場合、思い出・予算・見た目など「何を一番大切にしたいのか」の優先順位をつけることをおすすめします。
ママ振袖を着るかどうかを考えるうえで、
- お母様の着た振袖に込められた思い出を受け継ぎたい
- 家計への負担をかけたくない
- 写真や式典での見た目や着心地も妥協したくない
など、お嬢様とご家族それぞれに様々な思いがあることでしょう。
成人式の主役であるお嬢様の思いとご家族の考え方を早い段階で相談しておくことで、後から「やっぱりこうすればよかった」と成人式で後悔するリスクを減らせます。
ママ振袖を着ることを悩んだ際は思い出・予算・見た目の優先順位を明確にすることで、納得のいく選択ができることでしょう。
1年以上前からの準備が理想
ママ振袖の場合、サイズ検討や仕立て直しなどの準備を「最低でも1年前」からを目安に始めるのがベストです。
長期間保管されていたママ振袖は、カビや劣化で仕立て直し自体ができないケースもあります。
成人式直前に「ママ振袖を着たい」と思っても、そのままでの着用が難しいケースも。
ギリギリなって困ることがないよう、早めの準備を意識しましょう。
もしお直しやクリーニングに時間がかかる場合でも、時間的余裕があれば冷静に対応策が選べます。
万が一ママ振袖の着用が難しい場合にも、早めであれば好みのレンタル振袖を選べる可能性が高まります。
準備が遅れれば遅れるほど選択肢が減ってしまうので、余裕を持って行動してください。
まとめ
ご家族の思い出がこもるママ振袖は、当時の職人の技術力が感じられる高品質な振袖も多く、サイズが合えば素晴らしい選択肢になります。
サイズが合わない場合のリスクや対処法を踏まえた上で、早めに専門店に相談して最善の方法を選びましょう。
花てまりでは、ママ振袖の持ち込み相談も承っております。
ママ振袖を試着してのサイズの確認やお直しのご提案、小物選びなど、ママ振袖を着用するためにサポートさせていただきます。
ママ振袖のサイズが合わずお悩みの方も、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
